

炭酸ガスレーザの特徴
炭酸ガスレーザは、1964年Patelにより初めて発振されたレーザで、10.6μmの波長を有し、水への吸収率が高く、組織表面に吸収するため出血が少なく、切開・蒸散能力が高いレーザです。
炭酸ガスレーザによる手術
皮膚への深達性が小さく、組織表面のみ蒸散するため深部に対する熱影響が少ないレーザです。正常組織へのダメージを最小限に抑えた手術ができます。熱影響が限局的なので術後の浮腫・疼痛が少ないです。
炭酸ガスレーザの光を集光してあてると表面組織の収縮、脱水、炭化を生じ、さらに内部組織水分の蒸発又は気化を起こします。この過程で毛細血管を含む組織の収縮、凝固が止血作用をもたらします。集点位置の調節、出力とそのモードなどの組み合わせで切開、蒸散、凝固の処置が症例に合わせて一台の装置で行うことができます。
水のスペクトル吸収曲線
Dr.若松他 正常及び母斑皮膚の分光分析「レーザーによる母斑治療の基礎研究」日形外会誌 3:439-445,1983
